お正月のお餅、クリスマスのナッツ、年越しのぶどう:年末年始の食卓で5歳以下の子どもを窒息から守るには
結論から: 中国の冬至の白玉だんご、クリスマスのナッツやキャンディ、スペインの年越しの12粒のぶどう、日本や韓国のお正月のお餅――行事の食卓に並ぶごちそうは、小さな子どもがのどに詰まらせやすい食べ物でもあります。スペイン小児科学会(AEP)は、年末年始は子どもの窒息のリスクが高まると注意しています1。日本小児科学会は、お餅を、粘りが強く強い咀嚼力が必要な危険食品の代表例に挙げています2。消費者庁によると、2018〜2022年の5年間に5歳未満の子ども 43 人が食べ物による窒息で亡くなっています3。覚えておきたいのは3つ。丸くてつるっとしたものは小さく(ぶどうやミニトマトは縦に4等分)、粘るものは少しずつゆっくり、硬い豆やナッツは5歳以下には与えないことです123。
なぜ年末年始は特に注意が必要?
- 行事の食べ物が多い: AEP は、クリスマスや年越しには、トゥロン(ナッツ菓子)、ナッツ、糖衣アーモンド、ポップコーン、とりわけぶどうやキャンディを食べる機会が増え、窒息のリスクが高まるとしています1
- 小さな子はまだ上手にかめない: 1〜5歳の子どもは、体の動きや飲み込む力がまだ発達途中です1。乳歯が生えそろうのは通常3〜4歳ごろで、かむ力は大人より弱く、硬いものを丸飲みしてしまうことがあり、せきで押し返す力も弱いのです2
- 重大な結果になりうる: 窒息すると、わずか数分で呼吸が止まり、心停止に至るおそれがあります2
特に危険な食べ物は?
日本小児科学会による特徴別の分類2:
| 特徴 | 主な例 |
|---|---|
| 丸くてつるっとしている | ぶどう、ミニトマト、さくらんぼ、うずらの卵、球形のチーズ、ソーセージ、こんにゃく、白玉団子、あめ |
| 粘りがあり飲み込みにくい | 餅、ごはん、パン類 |
| 硬く、かみ砕く必要がある | ピーナッツなどの豆類、ナッツ類 |
- お餅は代表例: 強くかむ力が必要で粘りが非常に強く、口の中に貼り付いて取れにくくなり、気道をふさぐおそれがあります2
- あめ: AEP は、硬くて丸いあめは数秒で子どもの気道を完全にふさぐことがあり、すぐには溶けず、のどにはまりやすいとしています。0〜3歳は食べさせない、3〜5歳は大人が見ていてもリスクが高い、5歳を過ぎるとリスクは下がるもののなくなりはしない、という目安です1
- 硬い豆やナッツ: 5歳以下の子どもには食べさせないでください3。かみ砕いた小さなかけらが気道に入ると、肺炎や気管支炎を起こすこともあります3
どうすれば安全に食べられる?
- ぶどう: AEP は少なくとも4〜5歳までは丸ごと与えず、輪切りではなく縦に4等分し、皮と種を取るよう勧めています。皮はつるっとしてのどに滑り込みやすいためです1
- ぶどう、ミニトマト: 日本小児科学会は、4歳以下の子どもにはあらかじめ1/4にカットして与えるよう勧めています2
- お餅、ごはん、パン: 一口の量を少なくし、子どもの口に無理なく入る大きさにちぎり、よくかんで一口ずつ飲み込めているか確認しながら与えます。食べる前に水分でのどを潤しましょう2
- 小さく切っても目を離さない: 子どもは口いっぱいに詰め込むことがあるので、少しずつよくかむよう声をかけ、見守りましょう3
- 座って、食べることに集中: 子どもは座って落ち着いた状態で食べ、大人がそばで見守ります1。走りながら、遊びながら、あおむけで、歩きながら食べさせず、口に食べ物があるときはしゃべらないようにします2
- 泣いているときに食べさせない3
- 片付けを徹底: 落ちた豆やあめ、食品の包装や乾燥剤は、小さな子が拾って口に入れないようすぐに片付けます3
離乳食期の食べ物のかたさの進め方は、離乳食のかたさステップアップをご覧ください。
のどに詰まらせたら?
- 大きな声でせきをしている、泣いたり話したりできる: せきを続けさせ、背中はたたかずにそばで見守ります14
- せきに声が出ない、息が吸えない、呼吸が苦しそう: すぐに大声で助けを呼び、救急車を呼びます14
- 意識がなくなったら: 硬く平らな場所に寝かせ、スピーカーにして救急に電話し、心肺蘇生を始めます4
してはいけないこと:
出てきても受診を: 一部が残っていたり、応急処置でけがをしていたりすることがあります41。
年末年始の集まりの前に、乳幼児の救命講習を受けておくと安心です。
よくある質問
ぶどうは半分に切れば十分? AEP は4〜5歳までは縦に4等分し、皮と種を取るよう勧めており1、日本小児科学会も4歳以下は1/4にカットするよう勧めています2。
丸ごとのナッツは何歳から? 消費者庁は、硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないよう呼びかけています3。
子どもがせき込んだら、すぐに背中をたたくべき? 力強くせきをしているなら、そのまませきをさせ、背中はたたきません14。せきに声が出ない、息が吸えないときに背部叩打法などを行います4。
この記事はスペイン小児科学会、日本小児科学会、消費者庁、NHS の公開情報をもとに、食べ物による窒息を防ぐための一般的な原則をまとめたものです。応急処置は講習会などで正しく身につけることをおすすめします。子どもがのどに詰まらせてせきができない、意識がないときは、すぐに救急番号(日本では119番)に電話してください。
参考文献
脚注
-
Asociación Española de Pediatría, Comité de Soporte Vital. (2025, December 23). Cómo pelar las uvas y cortarlas en cuatro trozos longitudinales para prevenir atragantamientos 'navideños' en menores de 5 años. https://www.aeped.es/actualidad/atragantamientos-navidad ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15
-
日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会. (2025, August 31). 食品による窒息 子どもを守るためにできること (Ver.3). https://www.jpeds.or.jp/society-activities/column/proposals-assertions/50123.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
-
消費者庁. (2024, January 22). 子ども安全メール Vol.644 硬い豆やナッツ類をはじめとする食品での窒息や誤嚥に注意! https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20240122/ ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
-
NHS. (2024, October 28). How to stop a child from choking. https://www.nhs.uk/baby/first-aid-and-safety/first-aid/how-to-stop-a-child-from-choking/ ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11

著者について
Evie Wan
二児の母 · 書き手 · エビデンス重視の育児
二児の母です。ここにある記事はすべて、わが家の食卓で出た本物の疑問から始まり、小児科のガイドラインと研究で確かめたうえでお届けしています。
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