結論から: 2026年の米国の麻しん(はしか)報告数は、すでに昨年1年間を大きく上回っています1。子どもを守る最も確実な方法は、麻しん・おたふくかぜ・風しん混合(MMR)ワクチンを決められた時期に2回受けることです。麻しんへの予防効果は1回で約93%、2回で約97%とされています2。まだ接種年齢に達していない赤ちゃんが患者と接触した場合は、すぐに医師に連絡してください。
2026年の流行はどのくらい深刻?
米国疾病対策センター(CDC)が2026年10月9日に更新したデータによると、10月8日時点で米国の確定例は4,080例。2025年は年間で2,289例でした1。主な数字は次のとおりです。
- 患者の95%は未接種、または接種歴が不明。2回接種済みは2%
- 96%が集団発生に関連し、年内に新たに42件の集団発生が報告
- 5歳未満は710例(17%)で、そのうち15%が入院
- 全体では10%が入院
CDCはまた、米国の幼稚園児のMMR接種率が2019–2020年度の95.2%から2025–2026年度には92.4%に下がったこと、集団免疫には95%を超える接種率が必要であることを指摘しています1。米国は2000年に麻しんの排除を宣言していました1。
はしかの症状は?
| 時期 | 症状 |
|---|---|
| 感染から7〜14日後 | 高熱(40°Cを超えることも)、せき、鼻水、目の充血と涙3 |
| その2〜3日後 | 口の中に小さな白い斑点が出ることがある3 |
| 最初の症状から3〜5日後 | 発疹が顔の髪の生え際から始まり、首、体、手足へ広がる3 |
英国の国民保健サービス(NHS)は、はしかの発疹はふつうかゆみがなく、つながって斑状になることがあり、肌の色が濃いと見分けにくい場合があると補足しています4。
なぜ小さな子どもにとって危険なの?
CDCは、はしかは「ただの発疹」ではなく、とくに赤ちゃんと幼児にとって危険だと明言しています3。
- 未接種で感染した人の約5人に1人が入院
- 患児の最大20人に1人が肺炎を合併。幼児がはしかで亡くなる最も多い原因
- 約1,000人に1人が脳炎を起こし、難聴や知的障害が残ることがある
- 感染した子ども1,000人のうち1〜3人が死亡
- 免疫細胞が傷つき、回復後も数か月から数年にわたり他の感染症にかかりやすくなる
妊婦もリスクが高いグループです。妊娠中の感染は早産や低出生体重につながることがあり3、NHSは流産や死産も挙げています4。
MMRワクチンはいつ受ける?
接種スケジュールは国によって異なります。
| 地域 | 1回目 | 2回目 |
|---|---|---|
| 米国CDC2 | 生後12〜15か月 | 4〜6歳 |
| 英国NHS5 | 生後12か月 | 生後18か月(2025年1月1日以降に生まれた子は、水ぼうそうも含む4種混合のMMRVワクチン) |
お住まいの地域のスケジュールに従い、受けそびれた分は早めに受けましょう。よくある副反応やキャッチアップの考え方は予防接種の基本をご覧ください。
CDCはさらに次の2点を明記しています2。妊娠中はMMRワクチンを受けられず、接種後は少なくとも1か月は妊娠を避けること。授乳中は接種でき、母乳を通じて赤ちゃんに影響することはありません。
1歳未満の赤ちゃんはどう守る?
この月齢の赤ちゃんは、まだ定期接種の対象年齢に達していません。以下はCDCの説明です2。
- 海外渡航の前: 生後6〜11か月の乳児は出発前に1回接種します。1歳を過ぎてから、あらためて2回の接種が必要です
- 地域で流行しているとき: 保健当局が生後6〜11か月の乳児に早めの接種を勧めることがあります
- 患者と接触したあと: 免疫のない人は、接触から72時間以内に接種すると、ある程度の予防や軽症化が期待できます。重症化リスクの高い人には6日以内に免疫グロブリンが使われることがあり、必要かどうかは医師が判断します
NHSは、1歳未満の子どもがはしかの患者と接触した場合は、急いで医療機関に相談するよう勧めています4。
受診の目安は?
はしかが疑われるときは、必ず先に電話をしてから受診してください。待合室でほかの人にうつりやすいためです4。
次の場合は急いで医療機関に相談します4。
- 1歳未満の赤ちゃん、妊婦、免疫が低下している人が患者と接触した
- いつもより呼吸が苦しそう
- 母乳・ミルクや水分をあまり飲まない、おむつがぬれる回数が減った
- 解熱剤を使っても熱が下がらない
けいれん、ひどい呼吸困難、起こしても目を覚まさない、急に意識がもうろうとする、といった場合はすぐに救急車を呼んでください4。
家庭では、よく休ませて水分を十分にとらせます。発疹が出る約4日前から出たあと4日までは感染力があるため、発疹が出てから少なくとも4日間は保育園や学校を休ませましょう4。熱への対応は子どもの発熱ケアガイドも参考にしてください。
よくある質問
2回接種していても、はしかにかかりますか? まれにかかることがあります。2026年の米国の患者のうち、2回接種済みは2%でした1。CDCは、ワクチンに対する免疫の反応が十分でなかった場合や、時間とともに免疫が弱まった場合があると説明しています2。
子どもに発疹が出ました。はしかでしょうか? そうとは限りません。NHSによると、ワクチンを2回受けた人や、はしかにかかったことのある人では、はしかの可能性は低いとされています4。ほかの発疹との見分け方は赤ちゃんと幼児の発疹ガイドをご覧ください。
MMRワクチンは自閉症の原因になりますか? なりません。CDCは、米国をはじめ各国の研究者が詳しく調べた結果、MMRワクチンと自閉症の関連は見つかっていないと明記しています2。
この記事は米国CDCと英国NHSの公開情報をもとにまとめたものです。患者数は2026年10月8日時点のもので、今後も変わります。接種スケジュールは国によって異なるため、お住まいの地域の保健当局やかかりつけ医の指示に従ってください。本文で挙げた危険なサインが見られたら、すぐに受診してください。
参考文献
Footnotes
-
Centers for Disease Control and Prevention. (2026, October 9). Measles cases and outbreaks. https://www.cdc.gov/measles/data-research/index.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
Centers for Disease Control and Prevention. (2026, April 29). Measles vaccination. https://www.cdc.gov/measles/vaccines/index.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
-
Centers for Disease Control and Prevention. (2026, August 5). Measles symptoms and complications. https://www.cdc.gov/measles/signs-symptoms/index.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
NHS. (2025, July 31). Measles. https://www.nhs.uk/conditions/measles/ ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
-
NHS. (2025, December 23). MMRV (measles, mumps, rubella and chickenpox) vaccine. https://www.nhs.uk/vaccinations/mmrv-vaccine/ ↩
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