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百日せきと妊娠中のワクチン:なぜ妊娠のたびに受けるのか

著者 WiseMum

結論から: 百日せきは生後3か月未満の赤ちゃんにとって最も危険ですが、この月齢ではまだ自分のワクチンを打ち終えていません。妊娠中にお母さんが百日せきワクチンを受けると、赤ちゃんが百日せきで亡くなるのを防ぐ効果は約91.5%とされ、接種は妊娠のたびに勧められています1。

最新のデータで何がわかった?

英国保健安全庁(UKHSA)は2026年9月24日に最新の監視報告を公表しました1。

  • 2026年1〜3月のイングランドの検査確定例は71例。2024年の同じ時期は2,896例
  • 百日せきには周期があり、3〜5年ごとに増加する
  • 生後3か月未満の確定例は、2022年の2例から2023年に48例、2024年に433例となり、2025年は12例に減少
  • 2013年から2025年末までに、百日せきが確認された乳児33人が死亡。全員が自分の接種を終えるには幼すぎ、そのうち27人の母親は妊娠中に接種していなかった
  • 妊婦の接種率は2024年3月の58.9%から2025年12月には75.1%に回復

いまは流行の谷間にあたります。ただ、次の山がいつ来るかは予測できません。妊娠中のワクチンが守るのは、まさにその時に最も弱い立場にいる赤ちゃんです。

百日せきの症状は?

英国の国民保健サービス(NHS)は次のように説明しています2。

時期 症状
最初の約1週間 かぜに似る。鼻水、のどの痛み。高熱は少ない
その後 数分間続く激しいせきの発作。夜に悪化する
せきの合間 息を吸うときに「ヒュー」という音が出ることがある。ねばり気のある痰が出て、吐くこともある
経過 せきは数週間から数か月続くことがある

とくに注意: 生後3か月未満の赤ちゃんでは、特有の「ヒュー」という音が出ないことがあります。小さな赤ちゃんはせきのあとに呼吸が苦しくなり、顔色が青や灰色になることがあります2。

なぜ小さな赤ちゃんが最も危険?

NHSによると、生後6か月未満で百日せきにかかると、脱水、呼吸困難、肺炎、けいれんを起こしやすく、この月齢では通常、入院治療が必要になります2。

妊娠中のワクチンはいつ受ける?

地域 推奨時期
英国1 通常は妊娠20週ごろ(妊娠中期の超音波検査の前後)。妊娠16週から受けられ、32週までが望ましい。逃した場合もその後に受けられる
米国CDC3 妊娠のたびに、妊娠後期の早い時期

しくみはこうです。接種後にお母さんの体でできた抗体が赤ちゃんに移り、赤ちゃん自身が接種できるようになるまでのあいだを守ります1。CDCは、このワクチンは破傷風とジフテリアも防ぐものの、妊娠中に接種する主な目的は生後数か月の赤ちゃんを守ることだと説明しています3。

具体的な時期はお住まいの地域の健診の流れに従ってください。各週数の健診内容は妊婦健診スケジュールにまとめています。

赤ちゃん自身のワクチンは?

地域 初回接種 追加接種
英国1 生後8・12・16週 生後18か月(2024年7月1日以降に生まれた子)、3歳4か月
米国CDC3 生後2・4・6か月 生後15〜18か月、4〜6歳

UKHSAは、決められた時期に接種すること、受けそびれた分はできるだけ早く受けることを強調しています1。よくある副反応は予防接種の基本をご覧ください。

受診の目安は?

次の場合は急いで医療機関に相談してください2。

  • 生後6か月未満の赤ちゃんに百日せきの症状がある
  • せきがとてもひどく、悪化している
  • 妊婦が百日せきの患者と接触した

次のどれかがあれば、すぐに救急車を呼んでください2。

  • 唇、舌、顔、皮膚が急に青や灰色になる
  • 呼吸が苦しい
  • 息をするときやせきをするときに胸の痛みが強くなる
  • けいれん

NHSはさらに、せきが始まって3週間以内に診断された場合は主に感染拡大を防ぐために抗菌薬が処方されること、せきが始まってから最長3週間は感染力があること、抗菌薬を始めて48時間たつまでは保育園や学校を休むこと、16歳未満の子どもにはアスピリンを使わないことを説明しています2。

よくある質問

前の妊娠で受けました。今回も必要ですか? 必要です。英国も米国も、妊娠のたびに接種することを勧めています13。

家族の大人が長くせきをしています。赤ちゃんにうつりますか? うつります。2026年1〜3月にイングランドで確定した患者の78.9%は15歳以上でした1。せきが長引く大人は、小さな赤ちゃんに近づきすぎないようにし、受診してください。

赤ちゃんのせきに「ヒュー」という音がありません。百日せきではないですか? そうとは限りません。生後3か月未満の赤ちゃんや一部の大人では、この音が出ないことがあります2。

この記事は英国UKHSA・NHSと米国CDCの公開情報をもとにまとめたものです。患者数はイングランドのもので、接種時期やワクチンの種類は国によって異なります。お住まいの地域の保健当局や産科の担当医の指示に従ってください。赤ちゃんの呼吸が苦しそうなとき、顔色が青いとき、けいれんがあるときは、すぐに受診してください。

参考文献

Footnotes

  1. UK Health Security Agency. (2026, September 24). Laboratory confirmed cases of pertussis in England: January to March 2026. GOV.UK. https://www.gov.uk/government/publications/pertussis-laboratory-confirmed-cases-reported-in-england-2026/laboratory-confirmed-cases-of-pertussis-in-england-january-to-march-2026 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8

  2. NHS. (2026, August 6). Whooping cough. https://www.nhs.uk/conditions/whooping-cough/ ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  3. Centers for Disease Control and Prevention. (2025, December 2). Whooping cough vaccine recommendations. https://www.cdc.gov/pertussis/vaccines/recommendations.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4

著者について

WiseMum

二児の母 · 書き手 · エビデンス重視の育児

二児の母です。ここにある記事はすべて、わが家の食卓で出た本物の疑問から始まり、小児科のガイドラインと研究で確かめたうえでお届けしています。

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