よく聞く説
「早く歩き出す子は頭がよい」
結論
デマWHOの運動発達研究では、ひとり歩きの時期は8.2〜17.6か月(第1〜第99パーセンタイル)とされ、9か月近い幅がありますが、すべて正常範囲です。早い遅いは知能とは関係ありません。大切なのは個々の項目の速さではなく、各発達の節目が着実に進んでいるかどうかです。
この説はどこから来たのか
歩くことは最も目立つ節目で、誰の子が先に歩いたかは親戚にもすぐわかります。そのため、早く歩くことが「発達がよい、頭がよい」証拠と受け取られてきました。けれども粗大運動は、発達の一つの側面にすぎません。
根拠は何を示しているか
WHOの運動発達研究は、ガーナ、インド、ノルウェー、オマーン、米国の子ども816人を評価し、6つの粗大運動の節目について「達成の範囲」(第1〜第99パーセンタイル)を示しました。支えなしのおすわり3.8〜9.2か月、つかまり立ち4.8〜11.4か月、四つばい5.2〜13.5か月、つたい歩き5.9〜13.7か月、ひとり立ち6.9〜16.9か月、ひとり歩き8.2〜17.6か月です。研究は、これらの範囲が健康な子どもどうしの正常な個人差を表していると結論づけています。また、4.3%の子どもは四つばいをまったくしませんでした。
どうすればよいか
- 一つの項目ではなく全体を見ます。研究そのものが、子どもの発達全体の大切さを強調しています。
- ほかの子と月齢を比べる必要はありません。範囲の中であれば、数か月の早い遅いは正常な個人差です。
- 床で過ごす時間をたっぷりとり、その子のペースで練習させます。
受診の目安
- 1歳6か月を過ぎてもひとりで歩かない——範囲の上限(17.6か月)を超えています。研究の言い方では、明らかに遅いことは適切なスクリーニングが必要だというサインです。小児科を受診します。
- 歩くことだけでなく、おすわり、立つ、はいはいもそれぞれの範囲から明らかに外れている。
根拠
WHO · 世界保健機関
World Health Organization. (2006). WHO Motor Development Study: Windows of achievement for six gross motor development milestones. Acta Paediatrica Supplement, 450, 86–95. https://doi.org/10.1111/j.1651-2227.2006.tb02379.x
直接の出典 · 査読論文 · 2026-10-13 確認
出典の確認日:2026-10-13

